シェニール織とは
シェニール織(再織り)は、プリント技法を使わず織物の表裏に同じ絵柄を織り成す特殊なモール織物です。
この織物の製法は、プリント技法を使わず絵柄を織り成すために
織り上がると絵柄が現れるように デザインされたストライプ状の織物を一度織り
その織物を約4mm幅にタテ方向に裁断し、 ヨコ糸として、絵柄を合わせながら再度織り込みます。
この2度織る製法から、日本でシェニール織は「再織り」と呼ばれてきました。
織り上がった生地を蒸し、洗い、乾燥させ、シャーリング(表面の毛並をそろえ、毛羽たさせる)
等の工程・加工・検査を繰り返し、数ヶ月間を経て製品として使える生地になります。
このように、とても手間のかかる製法により、独自のあたたかい風合いが生まれます。
イギリスのスコットランドが発祥のシェニール織は
日本へは明治の初期に伝わり生産が始められ、日本製の
高級織物として好評を博しましたが
機械化が難しく一度生産が途絶えてしまいました。
時を経て昭和58年、和歌山県が先端技術を導入し研究を
重ね、今日の再織技法を確立しました。
日本のからみ織技法の「紗」の織技法を取り入れ
独自に発展した日本製のシェニール織
それがEnjeauのシェニール織です。
明治初期から現在に至るまで、日本を代表する
パイル織物のまち和歌山県の高野口で作られています。
高野口は、世界遺産に登録された真言宗総本山
「高野山」への登山口であり古来より文化・交通の
要衝として栄えてきました。シェニール織の類稀な風合い
とデザイン表現が認められ、昭和4年には天皇陛下へ
テーブルクロスとして献上が認められました。